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流線形’80


ロッヂで待つクリスマス
埠頭を渡る風
真冬のサーファー
静かなまぼろし
魔法のくすり
キャサリン
Corvett 1954
入江の午後3時
かんらん車
12階のこいびと



ロッヂで待つクリスマス


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

小さなつむじ風が
尾根をかけ降りるたびに
縞紋様 広がる
月のゲレンデ 夢を見るように
私はガラスにほほよせる

ゲームにはしゃぐ人も
炎を見てた人も
いつか おもてに出て
熱のある日は部屋に残された
子供の私がよみがえり すわってる

きみのきみの声の こだま追いかけ
窓もドアも越えて心は滑る
やがて響きわたる花火の音を
ロッヂで待つクリスマス

キャロルを口づさめば
わけもないなつかしさを
伝えたくなるから
町の誰かにカードを書くけど
素敵な言葉がうかばずに 目を閉じる

きみのきみの声の こだま追いかけ
窓もドアも越えて心は滑る
やがて響きわたる花火の音を
ロッヂで待つクリスマス

銀の月の影を 抱きとるように
森も谷も越えて心は滑る
きっとちがう明日が訪れそうな
ロッヂで待つクリスマス



埠頭を渡る風


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

青いとばりが 道の果てに続いてる
悲しい夜は 私をとなりに乗せて
街の灯りは遠くなびく ほうき星
何もいわずに 私のそばにいて

埠頭を渡る風を見たのは
いつか二人が ただの友達だった日ね
今のあなたは ひとり傷つき
忘れた景色探しに ここへ来たの
もうそれ以上
もうそれ以上
やさしくなんて しなくていいのよ
いつでも強がる姿 うそになる

セメント積んだ 倉庫のかげで
ひざをかかえる あなたは急に幼い
だから短い キスをあげるよ
それは失くした 写真にするみたいに
もうそれ以上
もうそれ以上
やさひくなんて しなくていいのよ
いつでも強がる姿 好きだから

白いと息が 闇の中へ消えてゆく
こごえる夜は 私をとなりに乗せて
ゆるいカーブで あなたへたおれてみたら
何もきかずに 横顔で笑って

青いとばりが 道の果てに続いてる
悲しい夜は 私をとなりに乗せて
街の灯りは遠くなびく ほうき星
何もいわずに 私のそばにいて



真冬のサーファー


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

真冬のサーファーは まるでカラスの群れのようさ
灰色の風しょって 空へ漕いでゆく
いちばんへたなだれかさん 私は願をかける
悩んでるこのごろ ぬけ出す気持ちで

次のいい波は まっ先につかまえてよ
フラレたことも 見えない明日も
笑いばなしさ そのうち

眸をこらし見つめれば あいつは水を蹴った
おもわずほほえむと 前歯がこおるの

次のいい波は かならずつかまえるよ
フラレたことも 見えない明日も
笑いばなしさ そのうち

ゆきずりの荒れた浜辺で 焚火を見つけたなら
声かけてそこには 彼らがいるから
私とサーファーは まるでカラスの群れのようさ
Take off の高鳴りを かかとに感じる



静かなまぼろし


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

通りのドアが開き 雑踏が迷い込む
そのときまぼろしを見てる気がした
小走りのシルエット ガラスを押して
あなたが店に入ってきた

もしも微笑み この席で向き合えば
時は戻ってしまうの遠い日に

全てを分かち合い 歩いた二人が
今では柱越し別のテーブル
誰かとメニュウを選ぶささやき
ふりむく勇気がなかった

会わない日々を云いつくす言葉など
もういらないの気づかずいて欲しい

昔の恋をなつかしく思うのは
今の自分が幸せだからこそ
もう 忘れて



魔法のくすり


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

恋の悩み答えられるほど
火の粉くぐって来たわけじゃないんだけど
つらい夜も 安らかになれる
一粒のくすりを あなたにあげましょう

男はいつも最初の恋人になりたがり
女は誰も最後の愛人でいたいの
だから所詮おんなじ気持ちで
求め合っていると思っちゃいけない

さめたふりをして ふいうちをかけて
欲しいものは欲しいと云った方が勝ち

前の彼を思い出しなさい
どんなカサノヴァでもきのうは消せないわ

男はいつも最初の恋人になりたがり
女は誰も最後の愛人でいたいの
まずは少し余裕を持つのよ
するとふくらし粉もききめをあらわす

さめたふりをして 逃げごしはだめよ
欲しいものは欲しいと云った方が勝ち

さめたふりをして ふいうちをかけて
欲しいものは欲しいと云った方が勝ち
眠れ今宵 魔法のくすりで



キャサリン


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

あなたがひとりこの駅に
降り立ったことを耳にしたのは
夏の終りの風が海へ抜ける頃

暗い緑のReybanをほほにすべらせて
涼しい瞳投げかけながら
今朝の夢を横切った

誰しも胸の片隈に煙るような影を抱く
キャサリン キャサリン
時がへだて
あなたは昔のままじゃない

輝く日々の残像を追いかけるたびに
あなたの声やそのブロンドが
だぶるように見えて来る

かわってしまった街角で
かわったあなたにふりむく
キャサリン キャサリン
時がへだて
想い出だけを眩しくする

誰しも胸の片隅に煙るような影を抱く
キャサリン キャサリン
時がへだて
あなたは昔のままじゃない

キャサリン キャサリン
時がへだて
みんなが昔のままじゃない



Corvett 1954


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

月も追って来ないわ みんな探してるころ
Corvett 1954 あなたとどこへでも行く

きみの細いつめのような ライトは流線形
Corvett 1954 すぐに遠くへさらうよ
好きさ 好きさ 好きさ

手のひらをちょうだい はやがねの胸に
見上げる雲のバレーは 永遠のスローモーション

夜を渡る鳥たちは 初夏を告げるイリューション
ゆるい線を描く
二人はかけぬける灼熱の気流

あの日たいくつでなけりゃ めぐり逢えなかったの
Corvett 1954 全てが ちがって見える
好きさ 好きさ ずっと

月も追って来ないわ ざわめきももう遠い
Corvett 1954 あなたとどこへでも行く
青い影をひいて



入江の午後3時


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

濡れたシャツをしぼって
胸の下で結んだら
照り返す陽差しより あなたの瞳
肌をさすの

気にしないと笑って
傷心をきくけれど
美しくできるのよ言葉にすれば
過ぎた恋は

口に出さずにやいてくれたら
私 ホロリと沖を見て Fall in love again

空の青さ深まり
この入江も秋になる
その頃は二人とも同じ夕陽を
どこで見るの

又 来年会えるよ
珊瑚礁が恋しけりゃ
今はただ いどころも明日も告げず
砂に立つの

髪がまとわる うなじのあたり
あなた見ている気がしたら Fall in love again

口に出さずにやいてくれたら
私 ホロリと沖を見て Fall in love again
Fall in love again Fall in love again Fall in love again



かんらん車


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

すいた電車が住宅街ぬけて
ひとしきり冬枯れをふるわす
あとに残った ひとりの足音は
川辺りの遊園地をたどる

さびついたかんらん車に腰をおろせば
ゆるやかに空は巡りはじめ
あなたの住むあたり広がってゆく
さよならが無性に恐かった
はりつめた想いが遠くなるの

いつしか雪が静かに舞いながら
チャコールの下界へと流れて
きっとあなたは窓の外を見てる
あのひとの肩を抱きよせて

つぎつぎと飛行船もゲームも止まり
粉雪が空を埋づめてゆく
終わりの暗示には美しすぎる
私だけ 冬空の旅人
地上に戻る頃 世界が止まる



12階のこいびと


作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実
編曲:松任谷正隆

Mon amour
夜の波を泳ぎつかれた魚のように
そっと横たわれば 汽車の響きがきこえるわ
Bon soir
眠い街はぼんやり光る海の底なの
ここは12階 通りを見下ろす

軽い寝息が ひとりぼっちにさせる
こんど逢う日を決めもしないうちに

Je t'aimerai
ゆるくしめた 蛇口の水の滴のように
いつも不安だけが 重たくなってはこぼれる
Mon amour
うでをはずし 涙くすぐる耳をこすると
背中見てるけはい けれど気のせい

軽い寝息が ひとりぼっちにさせる
こんど逢う日を決めもしないうちに

Mon amour
もしあなたが目の前から消えてしまったら
ここは12階 窓を開けて舗道をめがけ
紙のように舞うわ





Thank you for not smoking.